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犬も歩けば規格にあたる

iPhone 7 と次期 Nexus ( Pixel ) の狭間で

iPhone 7 が発売され、次期 Nexus ( Pixel ) に関するリーク情報も出揃ってきたので、このタイミングで所感をまとめる。

性能がずば抜けている

Android が登場してしばらくは、 AndroidiPhone に対してパフォーマンス面で明らかに劣っていた。スクロールの追従性一つとってもそれは明らかであるし、ましてWEB回覧は言わずもがなであった。

Android 側のパフォーマンス面、それによって提供されるユーザエクスペリエンスがある程度対等になったと言えるのは Android 4.0 Ice Cream Sandwich 以降の事だ。この頃の iPhone は 4S 、 Android では Galaxy Nexus である。勿論体感的な話をしているのであるからその所感は人それぞれだろうが、 iPhone はシングルタスク、 Androidマルチタスクに注力している分、一長一短なのだ、と思える程度には収まっていたと思う。

これ以降の両陣営は基本的なユーザビリティの向上にその労力の多くを注力してきたように思う。個々の技術や機能を見ればそれなりに革新的と言える物も少なくはないだろうが、どちらかが強烈、あるいは一方的な優位性を持つ事は無く、私自身のスマートフォンに対する熱も徐々に冷めていった。

が、今回の iPhone 7 は久しぶりに強烈なインパクトを受けた。

iPhone は世代交代のサイクルの関係上、全世代と考えて数十パーセント、場合によっては倍近く性能が向上する事もあるが、それは iPhone 内での事だ。その発売タイミングでの各々のフラッグシップ端末との間で単純性能でこれ程の差がついたのは久しぶりであるように感じる。 A10 Fusion プロセッサの威力は大きい。 Qualcomm には対抗製品の開発を頑張って欲しい所だ。

高い防塵、防水性能

iPhone 7 が防塵、防水に対応し、その等級が IP67 である、というのはかなり大きなアドバンテージであるように思う。

次期 Nexus ( Pixel ) について防塵、防滴性能があるというリーク情報があるが、あくまで IP53 であり、防水ではなく防滴である。

高機能なカメラ

残念ながら iPhone 7 Plus にしか搭載されていないものの、デュアルレンズのカメラの衝撃は大きい。広角レンズと望遠レンズをソフトウェアで合成する事で絵作りを行う、という方向性は非情に興味深い。

今までにもスマートフォンのカメラは HTC EVO 3D の3Dカメラや HTC One M8 のデュアルカメラ、 ZenFone Zoom の光学3倍ズーム等枚挙に暇がないが、 iPhone 7 Plus のカメラの方向性はバランスが良いアプローチだと感じる。

FeliCa 対応

最近になって、おサイフケータイもいいなぁ、等と思えるようになってきた。 iPhoneおサイフケータイ対応については、今まで何度も噂されてきたので眉唾であったし、 iPhone が日本のローカルな事情のためだけにハードウェアに特別対応をする事は無いだろうと思っていたので、非情に驚かされた。

持ち物が減るというのは良いことだ。可能であればスマートフォンに財布を統合するだけでなく、鍵も統合出来てしまえば良いのに、とすら思ってしまう。

ただ、それによって国際版と国内版とで様々な物事が分断されてしまうのは残念だ。 FeliCaNFC を初めとする近距離無線通信の規格の中で、その応答性において高い優位性を持っているのであればこそ、 Secure Element 等の問題を解消し NFC-F が国際的に普及している規格の序列に NFC-A 、 NFC-B に続く形で加わって欲しいものだ。