altebute.hatenablog.com

犬も歩けば規格にあたる

MacBookに対する所感まとめ

もう大分時間が経ってしまったが、新型MacBookが発表された。最近になって漸く店頭に並ぶようになり、私も触ってきたので、その所感を纏めたいと思う。

新型MacBookは正しく未来だ。小型のラップトップの多くはこうなっていくのだろう、と確信させてくれる製品になっている。しかしその「未来であること」がそのまま弱点になっている、とも感じた。

新しいMacBookのウィークポイント

既に多くのメディアでも述べられていることだが、1ポートで全てを担うUSB type-Cポートは如何にも貧弱であるし、マシンパワーはOS X Yosmiteを動かすには明らかにパワー不足だ。キーボードは良く出来て入るが、人によっては違和感を禁じ得ないだろう。トラックパッドは文句なしに素晴らしいが、その感圧センサを活かしたアプリケーションソフトウェアについては未だ未知数である。

私が思うに、現在の技術では、本来のMacBookの理想像を実現することは困難だったのだろう、と思う。それ故に、MacBookは「よく出来たコンセプトモデルをそのまま製品化した」ような製品になってしまったのではないだろうか。

MacBookの将来像とAirとの類似性

マシンパワーの貧弱さは、小型低消費電力のプロセッサの性能向上に伴って解決されて行くだろう。充電と拡張用のポートが共通の1ポートであるのは、システム全体の定格消費電力を、無線による充電が上回った時点で、その実装によって解決される。

多くのユーザ、特にこのMacBookのような、小型軽量なラップトップを必要とするユーザにとっては、1ポートのUSBのみ、という環境は必要十分な物となるだろう。より高い拡張性が必要なパワーユーザは、その需要にマッチした上位の製品を買えば良い。

ただし、「上位の製品」よりもこのMacBookは高価である。Core Mプロセッサをはじめとする、このような小型軽量なフォームファクタが、まだ普及していないからだろう。この点において、新しいMacBookは、2008年に初めて登場したMacBook Airに非常によく似ている。

当時のMacBook Airは20万円を超える高価な製品であるにもかかわらず、貧弱な性能と拡張性のため、多くのユーザには無視された。これを買ったのは極一部の生粋のMacユーザのみだったであろう。その後のMacBook Airが拡張性を上げ、価格を10万円前後にまで下げ、新規にMacを購入するユーザのための入門機となったのは周知の事実である。

恐らくAppleは、MacBook Airが行ったモバイルラップトップの再定義を、新しいMacBookによって再び行うつもりなのだろう。その未来のラップトップは、現在のMacBookにUSBポートを追加し、無線による充電に対応し、より高い性能とバッテリーライフを実現し、恐らくは2017年中期頃に登場するのではないだろうか。