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犬も歩けば規格にあたる

USB Type-C Cable and Connector Specificationについてよくわからないので調べた

リバーシブル仕様の新USB規格「Type-C」、仕様策定が完了 - CNET Japan
USB 3.0 Promoter Groupが、新しいUSB規格の策定作業を完了したと発表した。

その他記事

何れの記事も、USB 3.1の転送速度の向上及び電源供給、互換性Type-Cの形状が小型であり、 またリバーシブルで表裏を気にせずに挿せる事ついては取り上げているが、 Type-A、B、Cの違いについてきちんと取り上げている記事は見つからなかった。

普段日常的にUSBを利用している人でも、普通のとMicro-USBがあるよねー程度の認識しか無い人にとっては、 「今までMini、Microと来たのになんで突然Type-Cなんだ?」という疑念が生じるかもしれないので、 これまでのUSBの規格を含めた大雑把なまとめ記事を書きたい思う。

既存のUSBについて

主にwikipediaの要約となる。

ユニバーサル・シリアル・バス - Wikipedia

基本的な用語

デバイス側の端子はreceptacle、ケーブル側の端子をplugと呼ぶ。 日本語で言うとオス、メスだ。 receptacleのことをsocketと呼んでいる記事を見かけるが、仕様書を見る限りは正式な用語としては用いないようだ。

端子のサイズ

既存のUSBのサイズは、StandardMiniMicroが存在する。 Microは実質的に、より小さく頑丈なフォームファクタによってMiniを置き換える規格であるため、USB 3.0の規格では、Miniは存在しないっぽい。

接続方向とツリー構造

USBでは、ホスト側とデバイス側(ゲスト側)に規格上の明確な区別があり、 これによって、接続時のツリー構造を明示化している。

plugには、Type-AType-Bが存在し、Type-Aはホスト側、Type-Bはデバイス側に接続される。

一方で、receptacleには、A、B、ABが存在する。 AとBは単純にplugのA、Bを接続するためのreceptacleである。 ABには、plugのA、B両方を接続する事が出来る。 これは、そのreceptacleを持つハードウェアが、ホスト側にもデバイス側にも成りうるためである。

例えば、PCとスマートフォンを接続する場合、 PC側のStandard-A receptacleにStandard-A plugが接続され、 スマートフォン側のMicro-AB receptacleにMicro-B plugが接続され、 PCはホスト、スマートフォンはデバイスとして振る舞う。

一方で、スマートフォンとキーボードを変換アダプタを介して接続する場合、 スマートフォン側のMicro-AB receptagleに変換コネクタのMicro-B plugが接続され、 これを変換コネクタを介してStandard-A receptacleに変換し、 ここにケーブルのStandard-A plugを接続する。 キーボード側では、Micro-B receptacleにケーブルのMicro-B plugが接続される。 スマートフォンはホスト、キーボードはデバイスとして振る舞う。

USB Type-C

Type-Aはホスト側、Type-Bはデバイス側を担うplug及びreceptacleであることは前述した。ではType-Cとは一体何なのだろうか?
USB Type-C Specification Release 1.0.pdf の項 2.1 には以下のように記述されている。

  • The USB Type-C receptacle may be used in very thin platforms as its total system height for the mounted receptacle is under 3 mm
  • The USB Type-C plug enhances ease of use by being plug-able in either upside-up or upside-down directions
  • The USB Type-C cable enhances ease of use by being plug-able in either direction between host and devices

1番目と2番目の項については、本記事冒頭で取り上げた記事にも書かれているが、3番目の項について述べている記事は、終ぞ見当たらなかった。 日本語約すると、以下の様な意味になる。

USB Type-C ケーブルは、ホストとデバイス間のいずれの方向にも接続する事を可能とする事によって使い勝手を向上させる。

Type-C receptacle及びType-C plugはホスト側、デバイス側を区別しない。 ユーザは端子の形状を気にせず利用することができ、 その動作はハードとソフトで吸収することになる。 後方互換性を考慮しないのであれば、全ての端子は、究極的にはType-Cのみで事足りるということになる。